真実はどこにあったのだろう。
いろいろな場面で交わす兄弟の会話。
嫉妬やイラつき、探りあい。
母の一周忌で言い争う父と弟。
父親が怒りで畳にこぼした日本酒を拭く兄のズボンに
倒れたままのとっくりからぽたぽたとお酒がかかる。
この場面だけで弟の兄への感情が伝わる。
何故かワケも無く人の良い兄にイラつく気がする。
言葉の無い場面がとても印象的。
…半分に切られたトマト・川を流れる靴・ホーローのバットで静かにゆれる現像液…
「殺されなきゃいけないような人間だったのか」と表情無く問う智恵子の母の言葉が耳に残った。
とにかく演じている全ての人が実に上手い。
ワタシは…姉弟。
姉のワタシは、やはり、この映画も兄の目線・気持ちで観ていた気がする。
きっとワタシは不意に呼ばれて微笑んだとしてもバスに乗ってしまうだろう。